例
A5432(ダミー)
K6(自分)
ディクレアラがQを出してきたらKを出す(アナーにはアナーを)
ディクレアラが7を出してきたら6を出す(セカンドハンドロー)
※以降、上がNorthでダミー。
(例1)あなたはWest
Axxxx
KJ
ディクレアラからQが出たらKをカバー
なぜなら次にJが勝てるようになるため(これがプロモート)
(例2)あなたはWest
Axxxx
Kxx
ディクレアラからQが出たらKをカバー
なぜならパートナーにJがあれば勝てるようになるため(プロモートの可能性がある)
(例3)あなたはWest
AJT98
Kxx
ディクレアラからQが出てもカバーしない
なぜならKを出してもプロモートがありえないため
(例4:枚数が判明している時)あなたはWest。ビッドから10枚フィットが判明しているトランプスートについて
ATxxx
K2
ディクレアラからトランプQが出てもカバーしない
なぜならKを出してもプロモートがありえないため(パートナーはトランプ1枚しかない)
(例5:最後のアナーにカバー)あなたはEast
QJ93
K54
ダミーからQが出てもカバーしない。次にJが出たらカバー。
ここでカバーによってプロモートする可能性があるものはTだが、
パートナーがTxxなら2巡目のカバーで間に合い、1巡目にカバーすると次にフィネスされるかもしれない(パートナーがTxならそもそもプロモートしない)
基本的に、判明してる時は最後のアナーにカバーすればよい。
(例6:スプリット)あなたはEast
AJ
KQx
ディクレアラからxが出たらQを出し、Kをプロモートする。
これは通常「スプリット」と呼ばれる。
(例7:スプリットはマストではない)あなたはEast
AKT9
QJxx
ディクレアラからxが出たらxを出す。
プロモートするものがないので。
(例:カバーしなければ確実に1勝できる時)
Ax
Kxx
ディクレアラからQが出たとする。
(配置1)
Ax
Kxx Jx
QT9876
この配置ならカバーしてもしなくても1トリック取れるが
(配置2)
Ax
Kxx xx
QJT987
この配置ならカバーするとトリックを取れなくなる。
よってこのスートだけ見ればカバーしないほうがいい。
……しかしディクレアラは他のスートでトリックが足りていて、このスートで今すぐ2勝すれば満足と考えてQを出してきたかもしれない。
もしそう考える十分な根拠があるなら、配置1に備えてカバーすることもある。
(例:フィネスしないことが予想される時)
Axxx
Kx
ディクレアラからQが出たら、ほとんどの場合でKをカバーする。
しかし例えば
・NTを守っている
・明らかに自分たちが打ち抜けるスートがある
・明らかにオポーネントは上からトリックが足りている
なら、ここで自分がxを出してもディクレアラはAを上がり、このスートは1トリックで満足して安全にメイクすると予想される。
一方、自分がKを出したら(Jを持つ)ディクレアラはこのスートで2トリック以上取ることができて、アップメイクされてしまう。
よって、カバーしない方がいい。
他にも、カバーをするとノーゲスになるがカバーをしないと(ドロップ、ラフィングフィネス、スクイズなどとの)ゲスをディクレアラに迫れる場面では、カバーをしないことがある。
(例8:チャイニーズフィネス)あなたはSouth
Axxxx
KTx Jx
Qxx
この配置ではこのスートで4勝することはできない。
ハンドからQを出しても、Westに正しくKをカバーされると3勝しかできない。
このような、「カバーされなければトリックが増えるがカバーされると増えない」ホールディングにおいて1stハンドからハイカードを出すプレイをチャイニーズフィネスという。
Axxxx
JTx Kx
Qxx
先ほどとKとJを入れ替えた。ここでハンドからQを出した場合、EastのKが勝つのでやはり3勝しかできない。
しかしダミーからハンドのQに向けてカードを出す(インダイレクトフィネス)ことで4勝できる。
つまり、この向かい合わせではチャイニーズフィネスではなくx→Qのフィネスを選ぶのがいい。
基本的にオポーネントは合理的にプレイすると仮定すべきで、チャイニーズフィネスは通常すべきではない。
(※もちろん例外はあり、カバーしにくいシチュエーションや他の狙いがあるシチュエーションではチャイニーズフィネスも有効になる)
(例9:下がアナーが繋がっていれば正統なフィネス)あなたはSouth
ATxxx
QJx
例8ではJTはオポーネントにあったが、例9では自分たちにある。
このようにQの下が繋がっていればQにKをカバーされても(3-2)なら5トリック取れる。
これは正当なフィネス。
(例10:ドロップフィネス)あなたはSouth
AT8xx
Qxxx
Qを出すプレイは、Kがカバーされたら次にJに勝たれるので、チャイニーズフィネスである。
4勝したい場合は、Aを取ってからQに向けて出すのが(多分)いい。
しかしこのスートでどうしても5勝したい場合は、
AT8xx
K9x J
Qxxx
を期待して、ハンドからQを出すしかない。
つまり、Westに対して(チャイニーズ)フィネスをしながら、Eastのアナーを叩き落とすことを狙ったプレイだ。
これを和製ブリッジ用語でドロップフィネスという(英語では普通pinning play)
コメントをかく